PDCAは複数の歯車を組み合わせることで
スムーズに回せるようになっていく
介護の現場でPDCAを使っていると、こんな相談を受けることがあります。
PDCAを考えるとケアプランが上手くできない
PDCAが途中で行き詰まってしまう(何をするのか忘れてしまう)
全体の繋がりがわかりにくくなる
確かにケアプランの短期目標とかをP=計画にして、
実行しているはずなのに
いつの間にか”よくわからない状態”になっていることがあってPDCAを無視してしまうことがあるな。
今回は、はじめにイメージするときに少し複雑に見えるかもしれませんが
上手くイメージを繋げられるとPDCAが回しやすくなる筈です。
今回の記事のねらい
PDCAを回すときに無理がかかりやすい部分を見つけやすくなる
ケアプランとPDCAのつながり方が見えやすくなる
モニタリングなど定期の見直しがしやすくなる
前提と共有をお願いしたいこと
介護現場でPDCAを取り入れる機会が最も多いのはケアプランに重ね合わせていくことと思います。
施設や事業所によっては、経営や年間運営に取り入れる場合もあるかもしれません。
今回は、主に”ケアプラン”との連動に説明の重点をおいています。
PDCAを利用する際に出やすい意見や相談されやすい3つのこと
- ケアプランとPDCAがうまく連動しない
- 実行後の気付きが何も出てこない
- 定期的な見直しをしたときに変更なくダラダラ回してしまう
特に、ケアプランとPDCAの連動に悩む方が多く見受けられます。
PDCAのおさらい
PDCAの基本的な説明は下の記事をお読みください。
この記事に限らず、PDCAそれぞれを歯車として図解またはイメージすることが多く見られます。
たまに、逆ピラミッドのような”階層型”の考え方も見るよ
あくまでもイメージのお話なので、どれが正解というものではありません
実際にPDCAを使うときに自分自身が他の人に説明しやすいイメージであれば良いと思います。
ただ、今回のテーマであるケアプランとの連動を考えると、
複数の介護や介助が日常業務となっているため少し違ったイメージの方が
回しやすいかもしれません。
違ったイメージっていうと?
ケアプランとPDCAを連動しやすくするヒント
PDCAの歯車イメージを増やす
時計をイメージするとわかりやすいかと思います。
子供の頃に一度は時計を分解して中の歯車を見たことがある、時計です。
時計を分解だなんて、そんな事をするのは
あんたぐらいのものだよ!?
・・・
PDCAを”時計”のように複数の歯車を組み合わせイメージで組み立てる
時計は、長針・短針・秒針を組み合わせて”時間”を知らせる道具です。
文字盤の裏側では、大小様々の歯車が組み合わさって針を動かしています。
介護の業務も沢山の介護と介助を組み合わせて利用者一人ひとりの状態に応じたケアプランを作成していきます。
一つのPDCAをケアプランに当てはめていけば、細かなところで無理が生じてしまいます。
PDCAを取り入れるときには複数の最低でも3つ程度のPDCAを取り入れて文字通りに
”組み立てていく”イメージを持つとケアプランと連動しやすくなります。
介護に時計を重ねてイメージする場合
ケアプランを時計に例えると総合的な援助の方針が時計そのもの
時計は時間を知られる道具です。
ケアプランに例えれば、利用者の生活そのものを示す
”総合的な援助の方針”を当てはめることができます。
第一のPDCAは、一番大きい枠組みとして時計そのものをイメージして作られることになります。
それぞれの針を動かす歯車は、長期目標と短期目標
できれば長期目標で一つ、短期目標で一つとPDCAをそれぞれ作ったほうが組み立てやすくなります。
第一のPDCAを回すために必要な要素を満たすためのPDCAが第二と第三のPDCAです。
第四~第五のPDCAは日々の業務や”気づき”を見つけやすくする簡単なものにする
- 具体的なサービス内容をDoに合わせていく
- モニタリングしたいことをCheck=気づきに疑問符で設定する
などのように、簡単に達成できそうなことを設定します。
なんだか、PDCAに慣れないうちに増やすのは難しい気がするけど・・・
もし、どうしても難しいときには第四や第五といった達成が簡単にできそうなことから少しずつ増やしていくほうが大きなPDCAから始めるよりもハードルを下げられると思います。
それでも上手くPDCAが回らないときには・・・
どうしても上手くPDCAが取り入れられない、回せないときには次のことを見直してみてください。
- Goal=目標設定と現状がズレていないか
- Goal=目標がボヤケていないか
特に目標がボヤケていると、到達したい生活が曖昧で「ただ鍛える」ことになってしまいがちです。
森を作る>林を作る>木を植える
「何を目指しているのか」という目標が利用者本人と介護提供者との間でズレたままの認識となっていたり、介護提供者同士で認識を共有できていなかったりするとPDCAも回らなくなってしまいます。
まとめ
複数のPDCAを時計の歯車のように連動させることでスムーズに回すことができる
ケアプラン全体が時計、サービス内容を内側の歯車としてイメージすると組み立てやすい
おまけ
介護とPDCAは相性が良い反面、考えすぎに陥ることもあります。
- 相性が良い面・・・Do=実行が介助として入れ込みやすい
- 考えすぎになってしまいがちな点・・・Do=実行に介助を当てはめることに囚われ過ぎてしまう
特に良くない面の代表例としては、利用者の意思や介助者の負担増加を忘れてしまう危険性があります。
どちらか一方的に(特に介護者の負担増加)にならないように気をつけて定期的にPDCAそのものを見直す必要があります。
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