ケアプランとPDCAをスムーズに連携するために必要なことは
介護保険の”目的”を再確認すること
今回は、【ケアプラン】と【PDCA】が上手く連携するために必要と思われる事になります。
確か、前に”ゴール”が必要と言っていたよね。
はい。以前の記事は「ケアプランに沿ってPDCAを当てる」記事でした。
今回は、それでも上手くPDCAが連動しない方に試してほしい方法です。
すでにケアプランとPDCAが上手く連動している方にとっては「当たり前」と思う方もいるかもしれませんが、職員同士の確認として読んでいただければ幸いです。
ケアプランとPDCAが上手く連携しない理由
ケアプランは”目的”が見えにくいため
ケアプランには利用者が介護サービスを利用する【目的】を記載する欄がありません。
厚生労働省が公開しているケアプランの説明は次のとおりです。
そもそもケアプランは介護サービスを利用したい本人や家族の状況に対して、介護サービス事業者が提供する内容を書くものだから必要ないんじゃないの?
確かに、【目的】がないからと言って業務そのものが回らなくなる事はないと思います。
あくまでも今回のテーマ「PDCAとの連携」に的を絞ったときに”【目的】を意識したほうが連携しやすくなる”という意味です。
複数のPDCAが連動しているケアプランは【目的】を共有することで連動しやすくなる
ケアプランには次のような大切な項目がたくさんあります。
- 生活に対する意向
- 総合的な援助の方針
- 生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
- 援助目標
- 援助内容
最近は優秀な「ケアプラン自動作成アプリ・ソフト」があるので作成方法に関しては割愛します。
サービス計画書(2)に記載される「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」が複数ある場合、
サービス計画書(1)と連動した形で少なくとも3つ程度の”連動したPDCA”が必要となります。
確かに、一つ一つのPDCAがバラバラだと上手くいかないのはイメージできるね。
複数のPDCAを連動させるコツはこちらを御覧ください。
ここからは【目的】を意識することでPDCAが連携しやすくなるポイントになります。
介護保険とケアプランの目的・目標・方針の認識を共有したうえでPDCAを見直す
介護保険の目的:自立支援・利用者本位・皆保険
介護保険は高齢者が介護を必要としたときに、できるだけ本人なりの生活を送ること社会から離されることがないように支援することが目的として作られています。
そして、保険なので保険報酬を受け取るためにケアプランの作成が必要となります。
※ 「自立支援」に関して時折、利用者さんに対して「自分でできるよね。甘えてないで自分でしなさい」という言葉を見聞きすることがあります。
全てを否定するわけではありませんが、「自立支援」=「独力強要」となってしまうことが無いように適切な利用者自身・環境・状況の評価は常に意識して職員同士のコミュニケーションに活用してほしいと思います。
ケアプランを作る理由:介護保険の目的達成、利用者の社会生活に関する権利など・・・PDCAにおける【目的】Goal
【PDCA】と【ケアプラン】をスムーズに連動させようと思った時に重要となる部分です。
以前の記事に書いた「新商品の売上」を例にしたPDCAで考えてみます。
「新商品をたくさん売る」のは何のためだと思いますか?
そりゃあ、「たくさん売ることで儲けを出すためだろうね」
色々あるかと思いますが、儲けは大きな理由だと思います。
では、なぜたくさん儲ける必要があるのでしょうか?
う~ん、たくさんの儲けがあれば社員への給料を増やしたり新しい商品を作ったり、別の場所や地域に売ったりと「できること」を増やせるかもしれないからじゃないかな。
販売などを行なっている会社の場合、PDCAの外側または上位に立てられる目的は会社が栄えていくことと捉えることができます。
つまりケアプランの場合は、こうゆうことかい?
1. 介護保険に掲げている
- 自立支援
- 利用者本位
を意識して【生活に対する意向】を聞き出す
→ 利用者と家族が考えている生活のゴール【目的】
2. 望んでいる生活の様式を送ることができるように【方針】を決める
→ 利用者本人に必要な努力や介護・福祉機器など利用のバランスを決める【大枠のPDCA設定】
3. 方針に沿って課題を分けて具体的なサービス内容を決定する
→ それぞれの課題ごとにPDCAを設定していく
4. それぞれ設定したPDCAごとに数ヶ月単位で見直しを行なっていく
こんな感じで組み立てればPDCAの【目標】や見直しごとの【Check=気づき】、【Action=変更】は見やすくなるよね。
私が当初、説明しようとしていた内容よりも細かくなっていますが
そうゆうことだと思います。
ドヤァ
結論
1.ケアプランとPDCAの連動をスムーズにするヒントは【目的】を設定すること
2.設定した【目的】を含めたケアプラン全体を”暗黙の了解”を使わずに可視化して共有すること
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