理想とする働く場所としての介護施設・事業所は『誰』に使ってもらいたいのか…家族 or 友人・知人 or 恩師 etc・・・
昔から言われるような「家族」を利用させたくなるような施設・事業所は本当に理想か
介護施設・事業所で働くときに耳にすることが多い理想の形
介護施設・事業所で働いていると、
「こんな施設・事業所作りを目指そう」という
言葉を耳にすることは少なくないはずですね。
そのような話題では、「自分の家族を預けても良いと思う所、預けて後悔しないところを目指そう」という言葉が多いような気がします。
身近な人を預けるという”自分以外の人に介護を任せる”・”お願いする”という決断は、なかなかに覚悟が必要になってきます。
実際に家族を預けた時に考えること
介護の仕事に関わっている人ほど、「ウチの家族はワガママを言っていないだろうか」・「他の利用者さんに迷惑をかけていないだろうか」という面と「ちゃんと面倒を見てもらっているだろうか」・「報道されているような虐待など受けていないだろうか」という面と様々な不安や心配が消えないと相談を受けることが多くありました。
私自身も祖母をデイサービス(職場ではない所)を利用し始める時には、同じような葛藤がありました。
以前の職場で義父を入所利用していた介護員さんは「我儘言っていると出されちゃうから、余計なことは言わないで大人しくしてて」と常に言っていて、”安心して利用している”様子は欠片もありませんでした。
また、身内の利用を考える時には、家族の外面(そとづら)という一面を見落としたり考えからワザと除外してしまったりしてしまいがちです。
自分自身が利用したくなる施設・事業所
家族ではなく”自分自身”が利用したくなる施設・事業所を目指している所もあります。家族を預けるのではなく自分自身が要求や要望の基準なので、理想の形を作りやすいかもしれません。
反面、理想が自身の中にあるので、他の職員と施設・事業所作りの目標として設定するには客観的な目標を明確にしないと、基準の共有化が難しくなってしまう事もあります。
知人・友人やその親御さん、恩師などを基準に理想を考えてみる
大切な友人やその親御さん、もしくは学生時代の恩師が利用したくなるような施設・事業を目標とした場合は、家族や自分自身が利用することを考える時よりも、ほんの少し
客観的な目線で施設・事業所作りを考えやすくなります。
反面、断りにくい相手だったりすると、強い要望に対して”どのように対応するのか”をしっかりと考えておく必要が出てきます。
施設・事業所の理想を主張する手段
誰に利用してほしいのか、どのような施設・事業所を目指していくのかは、『ケアプラン』で表現・主張できる
施設・事業所それぞれの「理念」や「運営方針」などでの表現・主張は、盛り込むべきものが沢山あるのか、似通っていってしまいがちです。
- 高齢者の尊厳を守ります
- その人らしさを活かした介護
- 地域と繋がりある施設・事業所 etc
他にも様々な理由から施設・事業所としての理想形を運営理念に表すのは無理が出てきます。
どのような介護を行っていくのかは、ケアプラン内の具体的サービスとして説明することが分かりやすくなります。
ケアプランに記載される具体的サービスは「自立支援」や「生活機能維持」を果たすための介助が殆どです。
似たような状態の利用者さんたちのうち、一方の利用者には手厚く接して他方の利用者は放ったらかし、なんて偏ったケアプランは常識的にはあり得ません。一人ひとりに合わせたプランであっても同様です。
ケアプランという客観的に判断材料を集めやすいものを利用して、どのような施設・事業所を目指しているのかを表現してみてはいかがでしょう。
以上、今回の”斜め”な一案でした。どのような職種や業界であれ、働く際には多少のストレスや不満が募ると思います。
今回の施設・事業所の理想に正解はありませんが、身近な家族以外の大切な人を基準に考えてみることも気分転換になるかもしれません。
読んだ方の介護に関する”気持ち”がほんの少しでも「軽く」なっていただければ幸いです。
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