人とのコミュニケーションの基本だけど難しい技術
目線を合わせる
介護に限らずコミュニケーションの基本ながら意外と見落とされています。人によっては”口説きのテクニック”として活用している方もいますが、意図的に行い相手との距離感をコントロールするのは、かなり難易度の高い技術です。
(”口説き”は異性のみならず商談などでも活用されているようですね)
目線の合わせ方
まっすぐに正面から合わせるのは基本ですが、目線の高さはどうなっているのでしょうか?
- 上から見下ろしてみる。
- 下から見上げてみる。
相手が立っているか座っているかでも変わってきます。
自分が合わせられる側の立場であったなら、どちらが話しやすいでしょう?また、その高さや距離は話しやすい又は聞きやすい距離でしょうか。
自分が適していると感じる距離や高さが必ずしも相手にとっても同じとは限らないので何回もトライしてみなくてはなりません。
相手の状態を確認する
目線を合わせて話しをしようとしている相手(今回は認知症の方)はどのような状態でしょうか?
- 落ち着き無く立ち座りを繰り返している
- 大変興奮して顔が強ばってしまっている
- 穏やかに何かに集中している
極度に興奮してしまっている状態では、下手に目線を合わせようとしても興奮を強くしてしまう場合もあるかもしれません。
ですが、場合によっては一息入れてくれることもあるかもしれません。
私の場合の一例(あくまでも一例)
実家での場合(家族として)
祖母が興奮している時には危険が無いように見守る程度にしてますが話しかける時には極力やや(顔半分程度)下から見上げて話しを聞き出して落ち着かせています。7割くらいは落ち着いてくれてます。ちなみに私のことは「孫」ではなく「どこかのヘルパーさん」との認識が強くなっているようです。
職場での場合(仕事として)
基本的には、状態の確認と見守り後にやや下から見上げる形で話しを聞くことにしています。時には、こちらが痛い思いをする事もあります。仕事として興奮や落ち着かない原因の有無も調べる必要もあるので、ここら辺は「辛い」時もあります。
リハビリパンツが気持ち悪い。空調が寒いなど、こちらが思ってもない理由で興奮していることもあって難しいです。
介護している時の目線合わせは時間的にも難しい。最初は簡単な挨拶から
介護者はどこにいても時間や様々な事に縛られている
介護施設や事業所では、職員と利用者の人数対比が1対数人です。しかも朝から検温や食事・排泄介助などの業務と安全管理など様々な業務を行っています。
自宅で家族を介護している場合でも、一人ではなく二人を介護することもありえます。しかも、訪問などのサービスを利用していなければ炊事洗濯その他の生活を行いながら介護を並行しなければなりません。
”目が回る”ような状態で「目線を合わせる」余裕は意図的に作らなければ無理難題です。
※ いらすとや さんより借用
挨拶で目線合わせを意識してみる
朝の「おはよう」などの挨拶の時が一番試しやすい時間帯だと個人的に思っていますし、自然に目線を合わせる機会です。
昼夜逆転が酷い利用者の方は医療面か別のアプローチも必要でしょうが、出来るだけ生活のリズムを整える為には朝晩の区別を認識してもらうこともあります。
仕事や家庭で介護をする事があった際に思い出したら、ちょっとだけ『目線』を合わせてみて下さい。もしかしたら、新しい発見があるかもしれません。
認知症の家族を介護し続けるには自分の時間を保てないとストレスや疲れで潰れてしまうと考えています。詳しくは、こちらを読んでみて下さい。
以上、今回の”斜め”な目線からの一案でした。
介護に関する”気持ち”が少しでも「軽く」なっていただければ幸いです。
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