移乗動作などの介助方法や業務のシステム化は”独自性”よりも【真似しやすい】技術や知識を伝えたほうが職員同士の【共感】を得られやすい
介護現場で活用する知識や技術は「どれだけ使いやすいか」で業務の進め方が変化する
介護の技術は伝達が大変難しい
介護技術とは
介護現場で働く、または自宅で家族の介護を行う時に様々な場面で必要になるのが「介護に関する技術」です。
簡単な例を挙げると、
- 食事で食べ物を口まで運ぶ”食事介助”
- ベッドから起こすための”起床介助”もしくは”離床介助”
- 車イスなどに乗り移る時の”移乗介助”
- お風呂の前後などに行う”更衣(着替え)介助”
- オムツの交換などの”排泄介助”
- 歩く時に支える”歩行介助”
など沢山あります。
これら、生活を支えるために介入する際に用いるのが「介護技術」です。
誰でも簡単にできそうですが、一つ一つに細かい注意点があり介助する側とされる側のお互いの苦痛や負担が少なく介助を行うことは思いのほか難しいことです。
※
増え続ける介護技術
移乗動作に関する介護技術を例のとってみると、
- 抱きかかえるようにして行う”全介助”
- ある程度は本人の力を活用し支える程度の”一部介助”
- 転ばないように注意しながらの”見守り”
- 寝たきりの人を二人で支える”二人介助”
- 専用の器械を用いる”リフト介助”
ざっくりしても、数段階に分けられます。
更に、全介助でも介助者が片膝を床につけて抱えるような方法や
介助者の膝の上に利用者に座ってもらうような体勢をとって支える方法など様々な方法が「技術」として形作られ講習会が行われています。
最近は”「ボディメカニクス」を理解して介助する”
方法を目にする機会が増えています。
特に「どの方法が正解」などはありません。
今回の結論になってしまいますが、
『時と場合』・『ケースバイケース』で使い分けて
お互いに無理のかからない方法が
あえて挙げるのならば正解だと考えています。
リハビリ職としても個人的には「ボディメカニクス」は非常に有効だと考えていますが、わざわざ小難しい単語を使って聞く人の抵抗感を強めるよりも「人が動きやすい方法」とかイメージしやすい言葉のほうがしっくりきます。
また、理解して実践している方は無意識に行っているようですが、
「利用者の”認知機能”に対しての配慮があるかないか」
→利用者が介助を受ける状況を理解し把握しているか?
という部分は「ボディメカニクス」の説明には含まれていません。
なんとなく、”講師”や”考案者”と呼ばれる人は、工夫しすぎて小難しい言葉使いになってしまっている気がします。
技術は使い分けることで活用される
約20年前に比べても実に沢山の介護技術が世の中に登場しています。
技術としての手段は様々ですが、それぞれの目的は
介護提供者の負担を軽く、介護を受ける人はできる力を発揮して自信を取り戻す。
という点に変わりありません。
目的が明確なので、手段は相手の体調やその他の様々な状況により変わっていきます。
どういった場面で、どの方法を使うのかを判断するのは”技能”となります。
技術と技能に関する記事も書いています。
よろしければ読んでみてください。
共有できること、ものがあると仲間意識が強くなる
少しだけ、介護から離れた例えの方がイメージしやすいかもしれません。
私が学生の頃だった約20年前は「たまごっち」の初代が流行った頃でした。
コンビニやおもちゃさんで手に入れることができると
持っている人同士の仲間意識や育て方に関する共通の話題
などが拡がったものでした。
最近でも、「タピオカ」など”流行りもの”を経験したかどうかで
”話題の共有”を認識することはあるかと思います。
このように”話題”もしくは”物品”を共有すると人は仲間意識が強くなります。
介護現場においても、「この前教えてもらった方法を試したら上手く行ったよ」など
共有できることがあると仲間意識は増えていきます。
※
共有できることを増やすには、【独自性】よりも【再現性】
最近は、You Tube などでも「実験動画」など増えていますが、”再生数”や”いいね”の数だけを基準に判断すると、”真似しやすいもの”の方が
”専門的なもの”よりも遥かに多い印象を受けます。
新しい技術を覚える、または未経験の分野に挑戦する時には特に
ハードルが低いものの方がチャレンジしやすいのは当然のことです。
技術や技能・知識の伝達は、相手と自身の技量を見定めてから
自分自身が習得している技術や知識を伝達する際に相手の技量や力量を探ることはほとんどの人が行います。
では、自分自身の技量や力量は把握しているでしょうか?
例えば、先にも少し触れましたが移乗介助を例にしてみます。
Aさんは、「ボディメカニクス」を理解し上手に使いこなしています。
Bさんは、イマイチ上手く使いこなすことができていません。
BさんがAさんに「ボディメカニクス」を活用した方法を質問しAさんが返答する時に皆さんがAさんの立場であったなら、どのような返答を行うでしょうか。
- 『「ボディメカニクス」を理解していない』と捉えるか、
- 『「ボディメカニクス」以外の部分で違いはあるのか?』と捉えるか
私の言う”自身の技量や力量を把握する”とは、2の方を指してます。
つまり、Bさんの「ボディメカニクス」の理解の度合いを探ることの他に
違いはあるのか?違うとすればどこか?を
見つけることが自身の技量・力量を把握することになります。
前述したように、利用者の認知機能や状況把握に配慮していることを無意識に行っていたままでは、もしかしたらBさんの直面している問題の解決につながらないかもしれません。
介護現場で他の人と何かを共有する時には、自身の情報も整理する必要があります。
その上で、技術・技能や知識を共有することができれば、より相手に伝達する情報量が多くなります。
伝達された技術・技能や知識が実践しやすいものであれば、
情報の共有と仲間意識は強くなります。
万が一、伝達された技術・技能や知識を活用しても上手く行かなかったときは
「なぜうまく行かないのか?」という新しい課題を見つけることができます。
介護の技術・技能や知識は、共有して活用してこそ【孤立】を無くすことができます。
そのためには、【真似しやすい】ものを「具体的」に示すことが必要となります。
【真似しやすい】ものと【自分オリジナル】なものを使い分けて、少しずつでも”仲間”を増やせれば、自身の業務負担や家族介護の負担を減らしていくことができるかもしれません。
以上、今回の”斜め”な目線からの「一案」でした。
この記事を読んで下さった方の「介護」に関する”辛い気持ち”が少しでも
「軽く」なったと思っていただければ幸いです。
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