今回は、私が「介護の仕事で感じている”やりがい”」を紹介します。
前提:仕事として自分や家族の生活を支える、豊かにする賃金アップは勿論必要と考えている
あくまでも、「”賃金や休暇、以外で感じる”部分」として書いています。
賃金以外で介護を仕事にするメリット
利用者・他職員など「他者の生活に関するルールや価値観」を自分の中に取り入れ自分自身をアップデートすることができる
利用者のルールや価値観は「知恵袋」だらけ
【介護】は対象者と家族の生活を支える仕事です。
対象者には、これまで長い時間を過ごしてきた”家”や”仕事場”での生活がベースになっています。
- 起きる時間や寝る時間
- ご飯を食べるまでの過ごし方
- 着替えや洗顔などのタイミング
- 家具・リモコンなどの種類や配置
書ききれない程たくさんの”マイルール”を積み重ねています。
介護が必要となり在宅サービスに私達が介入する時には、それらの”ルール”に踏み込んでいきます。
同じように入所サービスを利用される場合には、”ルール”の一部を「我慢」してもらう必要が出てきます。
だからこそ、利用者やご家族をはじめ世間的に「介護サービス」への”抵抗感”のような感情を抱いてしまうものだと感じています。
同時に【介護の仕事】をしていることによって、普段は見聞きする機会が殆ど無いような世代や性別、地域をはじめとした様々な”ルール”と”価値観”を知ることができます。
取り入れた”ルール”や”価値観”は仕事では他の利用者に対して【データ・経験値】として、自分自身には【今後の生活の彩り】として公私ともに活用することができます。
”生活動線”と言われる動きや調理の際の役割といったものだけではなく、「この季節には、この料理をこのレシピで作る」といったルールもありました。
なにより、『生活の知恵袋』的な情報は【高齢者介護】ならでは、だと思います。
次の「職員同士」で見つかる価値観に関しては、利用者と重なるところ以外を書いていきます。
職員同士の情報やルール・価値観は事故防止や連携速度向上につながりやすくなる
特に言葉に対する”ニュアンス”・”認識”の違いは時に大きな事故につながる恐れがあります。
「同じ認識」だと思っていると意外と差が出たりもします。
「利用者がふらついたため付き添った」と記録があったとします。
- 職員Aさんは「倒れそうなんだったら車椅子を使っても良かったんじゃないですか?」
- 職員Bさんは「あの利用者さんは、いつも体を揺らしているから付きそう必要がなかったんじゃない?」
- 職員Cさんは「その付添をしてる時に他の利用者さんは大丈夫だったの?」と、
それぞれが「ふらついた」という言葉に受ける”程度”や利用者さんの事前情報、周辺状況に対する【認識】は人それぞれです。
職員同士の”マイルール”も時に大切な情報になりますが、”価値観”と【言葉に込められる意味合い】や
いつの間にか生まれている「思い込み」を取り入れることで
- 利用者への対応の統一性
- 業務遂行に必要な時間と段取り
- 事故予防の増加
などを図ることが可能となります。
職員同士の”価値観”を共有する一つとして、こちらも御覧ください。
介護を仕事にして感じるメリットーその2ー
自分自身や家族の”将来”に少し【備える】ことができる
いつか迎える”最期”までをどのように過ごしたいか自然と考える時間をつくることができる
人は誰しも”最期”の時を迎えます。
未来が見えないため、いつ・どこで・どんなふうにというのは分かりません。
それでも、「自分だったら、こうありたい」という願いはあります。
高齢者介護の仕事に関わることで、友人や家族との会話にも自然と”望む将来像”が含まれていきます。
時には、利用者や職員同士・施設を反面教師として捉えることもあれば、理想に近い人を見つけることもあるかもしれません。
”最期”の捉え方も地域や世代で結構、差が見られます。どんな違いがあるのかを見つけるのも人生の彩りを豊かにしてくれるかもしれません。
自分自身の身体の使い方に詳しくなる/自助具や福祉機器など”変わった道具”に詳しくなる
自身の身体や対象者の身体機能を上手く活用して介護を行うことが多いため、身体機能に詳しくなることも将来に役立てることができます。
「武井壮」さんのエピソードで最近、聞いた「盗塁王」に関する話題は
介護に応用できるのではないかと感じています。
同じように日常見かける「自動販売機」の変化や「靴」、昔から見られる「包丁」など様々な”道具”の変化に「気付く」楽しみが増えるのも大きな魅力だと思います。
世の中には、たくさんの仕事があります。
その中でも直接、対象者と関わる機会が多いのが「サービス業」ですが、
対象者の”生活”に深く踏み込んで様々な経験や価値観を知ることができるのは、「介護」に関する仕事が最も多いのではないかと思います。
たくさんの経験や価値観に触れることは自分自身をアップデートする近道です。
書籍だけでは実感できない部分を教えてくれる貴重な体験だと思います。
「介護」は誰にでも”挑戦”することは可能なのは事実かもしれませんが、
”誰も”が【長続き】するとは限りません。
今回、取り上げた【魅力】も一つの例です。
皆さんも、それぞれ感じる魅力を時々見直してみてください。
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