実生活に沿っていない要介護認定の判定基準が介護現場や職員、要介護者本人や御家族を苦しめている
以前よりも厳しいと感じてしまう介護度判定
要介護認定とは「どんな介護」が「どの位必要なのか」を決めること
特定の疾患や年齢で介護が必要となった人が認定の申込みを行って介護保険を利用する準備を行う手続きのこと。
65歳になるとすぐに介護保険が利用できるわけではありません。
申請方法
市町村の窓口に要介護認定の申込みを行い、役場職員もしくは委託を受けたケアマネなどが日時を決めた上で直接ご本人と面接・調査を行います。
審査方法
- 日常生活を送る上で支障が出ていることや食事や着替えなど決められた項目の質問を行っていく。併せて調査する人が”主治医意見書”を主治医からもらい、これを元にしてコンピューターによる「1次判定」を行う。
- 「1次判定」の結果を基に委託を受けた医師等数人による会議「介護認定審査会」を行い申請した利用者の”要支援1”・”要支援2”、”要介護1”~”要介護5”までの全部で7段階に分けられた介護度から該当する介護度が認定され「介護保険証」が発行される。
詳細は外部リンクになりますが以下を参照して下さい。
(分かりやすく説明されています)
参照元:有料老人ホームはHITOWAケアサービスのイリーゼへ【公式】
判定基準には、日常生活に必要な行動が「どの位の時間で行われるのか」など沢山の項目があるうえに認知症の症状による影響も加味されている筈ですが、最近聞くことが多い近隣の判定はとても厳しくなっています。(一説には財源の問題で厳しく認定を出していると言われていますが不透明です)
認知症の御家族からの疑問の声が多い
あくまでも私の近隣です。
認知機能の低下が見られる御家族が受診し、認知症の診断を受けて日常の介護に限界を感じて介護申請をした際に調査員や主治医からは「要介護3か4相当」との説明を受けたそうです。しかし、実際の判定は「要支援2」でした。その家族は主治医をはじめ受診した医院などからもアドバイスを受けて「不服申し立て」を行い、次に「区分変更」を申請し、ようやく主治医の説明通りの結果となりましたが、その期間中にも自宅での介護で大変な苦労をされていました。
実際に仕事で出会う利用者さんや御家族の方にも同様の訴えを行う人が以前よりも多くなった印象を受けます。
要介護認定判定基準の見直し
平成30年4月1日から認定の効率化を図る為に簡素化されています。
平成 30 年 4 月 1 日以降の要介護認定制度等について(PDF)
老健局老人保健課長
記載の通りコンピューターの判断性能が向上している事も理由のようですが、それ以前の認定が現実に沿っていたのか疑問は残ります。
より詳細な日常を判定に活用する為に主治医以外の職種の意見書も参考にする(一案)
現在の介護認定の判定基準は本人の様子と家族の意見、主治医の意見書です。
これからは、より詳細に日常の不利益を表に出して適切な介護度を認定してもらう必要があります。
介護サービスを利用してから他業種協業するのではなく、
他業種による意見書を作成して
介護認定を判定してもらう形になれば、より詳細な状況が反映されます。
適切な介護認定とサービス利用は介護現場や利用者本人、御家族の介護を分担しやすくなる。
介護職員だけ、御家族だけなど一方にだけ介護大変さが偏ることを防いでお互いに協力する体制を作るには利用者の状態に見合った介護認定が必要となります。
考えられるデメリット:財源確保や調査担当職員の増員などは後で考えることが出来る
と、いうよりも全てを前もって準備するにも限度があります。既存の施設・事業所の職員が調査に向かうには人手が足りません。
これまでの各施設・事業所、医院の在り方や
調査を行う市町村などの役割も根本から見直す必要が出てきます。
それでも、介護保険を利用しようとしている本人や御家族、介護保険サービスを提供する職員それぞれが適切な介護認定の元で関わりを持つのと現実に見合っていない介護認定で無理をして生活を送るのとでは、雲泥の差があります。少しでも利用者、御家族、各サービス提供者が他者を傷つけずに介護を行っていく為に、介護業界の人手不足を解消する為に新しい試みも必要と思います。
以上、今回の”斜め”な一案でした。
読んで下さった方が少しでも介護に関わる辛い”気持ち”が「軽く」なったと思っていただければ幸いです。
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